被害者の過失が大きいが、自賠責保険へ被害者請求を行い、自賠責保険金4,000万円満額獲得した事例
交通事故の態様
夜間、自転車で幹線道路を北から南に横断していた被害者に、車道を西から東に走行していた自動二輪車が衝突した交通事故
被害者の傷病名
脳挫傷、遷延性意識障害、外傷性くも膜下出血
後遺障害等級
別表第1第1級1号
当事務所で行った手続き
成年後見申立、自賠責保険へ後遺障害部分の被害者請求
成年後見申立
被害者は、交通事故の結果、高次脳機能障害により、意思疎通ができない状態になっていました。そのため、まず、家庭裁判所に成年後見申立てを行いました。
高次脳機能障害の場合、交通事故の損害賠償に先立って、成年後見申立てを行うことも珍しくありません。
自賠責保険の重過失減額
交通事故の損害賠償は、①自賠責基準、②任意保険基準、③裁判基準の3つの基準が存在します。①自賠責基準が最も低く、③裁判基準が最も高額になります。
交通事故の3つの基準
多くのケースで、交通事故の被害に遭った場合、弁護士に依頼すると、賠償金を大幅にUPさせることができます。それは、損害賠償の3つの基準に関係しています。3つの基準を解説します。
この事案では、被害者の過失が大きいのが特徴で、加害者:被害者の過失割合は、40:60又は45:55程度が予想されました。
自賠責保険には、重過失減額という制度があり、被害者の過失が70%未満であれば、まったく減額されません。そのため、被害者の過失が大きい事故の場合は、①自賠責基準で計算した方が賠償額が最も高額になることがあります。
したがって、本件では、自賠責保険への被害者請求のみを行い、自賠責保険金満額の4,000万円を獲得し、被害者の手取りが最も多くなるように処理しました。