交通事故の損賠賠償の逸失利益の算定において、所得税等の税金を控除するか?を判断した最高裁判決を紹介します。
最高裁昭和45年7月24日判決
逸失利益の算定において、所得税等の税金を控除するか?が争われた事案です。
最高裁の判断
最高裁は、税金の控除を否定しています。
被上告人が本件事故による負傷のためたばこ小売業を廃業するのやむなきに至り、営業上得べかりし利益を喪失したことによって被った損害額を算定するにあたって、営業収益に対して課せられるべき所得税その他の租税額を控除すべきではないとした原審の判断は正当であり、税法上損害賠償金が非課税所得とされているからといって、損害額の算定にあたり租税額を控除すべきものと解するのは相当でない。