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むち打ち以外の局部の神経症状の労働能力喪失期間(交通事故の裁判例)


後遺障害がむち打ち以外の局部の神経症状の場合の労働能力喪失期間について判断した裁判例を紹介します。

名古屋地裁平成27年11月27日

 むち打ちで後遺障害等級14級の場合、後遺障害による逸失利益の算定に当たって、労働能力喪失期間は3年から5年程度に制限されることが通常です。

 局部の神経症状の後遺障害等級14級は、むち打ちに限りません。この判決は、むち打ち以外の局部の神経症状で後遺障害等級14級の場合の労働能力喪失期間を5年と判断した判決です。

事案の概要

 平成25年6月17日午後4時30分頃、十字路交差点の西側出口付近において、東西道路を西進してきた被告車両と、南北道路の西側歩道を南進してきた原告車両とが衝突した。

 原告は、本件事故により、両足関節捻挫、左肘打撲傷、口腔内挫創、頚部挫傷の傷害を負った。

 C整形外科医師は、平成25年10月22日、本件事故による原告の受傷(両足関節両足挫傷)について、同年7月17日限り症状固定、自覚症状につき「右足関節の自動内返し外返しができない」、後遺障害の内容につき「当初右足関節ストレスX-P上不安定性があったが、10月15日ストレスXPでは消退している。足関節に可動域制限はなし。痛みもない」とする後遺障害診断書を作成した。

 Dクリニック医師は、平成25年11月5日、本件事故による原告の受傷(両足関節捻挫)について、同日限り症状固定、自覚症状につき「右足関節痛あり。外側(外果周囲)に腫脹・疼痛あり。一日の内で夕方になると歩行時痛あり。階段昇降は可能だが痛みあり。しゃがみ込み可能だが荷重痛あり。」、後遺障害の内容につき「右足関節外側側副靭帯周辺に軽度の腫脹と圧痛あり。X-P距骨傾斜角ストレス撮影にて約五度」、「可動域制限なし」とする後遺障害診断書を作成した。

 損害保険料率算出機構は、平成26年1月27日,原告の右足関節痛等の症状につき、自賠法上の後遺障害に該当しない旨の認定をした。

裁判所の判断

 原告は,平成25年11月5日,本件事故による右足関節捻挫を原因とする右足関節痛を残して症状固定と診断された。その当時,原告の症状は,右足関節の外果周囲に腫脹・疼痛あり,一日の内で夕方になると歩行時痛あり,階段昇降は可能だが痛みあり,しゃがみ込み可能だが荷重痛ありというもので,診断書上,「右足関節外側側副靭帯周辺に軽度の腫脹と圧痛あり。X-P距骨傾斜角ストレス撮影にて約五度」と記載されている。
 原告は,当該症状固定診断から約2年を経た本人尋問時においても,安静時痛はないものの,夕方になると痛みが出現し,長時間歩行後やヒールのある靴による歩行時には痛みが強くなるというのであり,上記症状固定診断時から若干の改善はあるが,それほど変わらない状態が継続しているものといえる。
 なお,原告は,ヒール靴を履いて就職説明会に赴こうとした折,あまりの疼痛に出席を断念した旨供述しており,その供述の信用性を疑わせるような事情はない。
 そうすると,原告には,本件事故による右足関節捻挫を原因とする右足関節痛が後遺障害として残存したというべきであり,これは,「局部に神経症状を残すもの」として14級9号に該当すると認められ,少なくとも上記症状固定時から5年間にわたり原告の労働能力を5%喪失させたものと認める。


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