交通事故の被害者が、弁護士費用特約を利用した場合に、弁護士費用が損害として認められるかを判断した裁判例を紹介します。
東京地裁平成24年1月27日判決
交通事故の被害者が、弁護士費用特約を利用した場合に、弁護士費用が損害として認められるか?が問題になった事案です。
事案の概要
高速道路上で発生した多重追突事故について、原告B1が、自己の運転する車両に追突した車両を運転していた被告B2及びその後続車両を運転していた被告B4に対し、民法719条後段に基づき、222万2,962円及びこれに対する平成22年12月11日(本件事故の日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を請求した。
損害の内、弁護士費用について、原告B1が自動車保険契約の弁護士費用特約を利用しているとすれば、弁護士費用は保険会社において出捐するものであるから、原告B1には弁護士費用相当額の損害は生じないとして争っていました。
裁判所の判断
裁判所は、以下のように、弁護士費用特約を利用した場合でも弁護士費用を損害として認めました。
本件事案の内容、審理経過、認容額その他本件に現れた一切の事情を考慮すると、本件事故と相当因果関係のある弁護士費用は10万円とするのが相当である。
なお、仮に、原告B1が自動車保険契約の弁護士費用特約を利用していたとしても、弁護士費用相当額の保険金は原告B1の負担した保険料の対価として支払われるものであるから、原告B1に弁護士費用相当額の損害が発生していないとはいえない。