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自動車保険の免責条項に関する最高裁判決②


自動車保険の免責条項に関する最高裁判決を紹介します。

最高裁平成7年11月10日判決

 自動車保険の免責条項における配偶者に、内縁の配偶者が含まれるか?が争われた事案です。

事案の概要

 Aは、その保有する普通乗用自動車につき、被上告会社との間で、被保険者をA、対人賠償責任保険の支払限度額を一人一億円、保険期間を昭和63年12月5日から平成元年12月5日までとし、被保険者の負担する損害賠償責任が発生したときは損害賠償請求権者は被上告会社に対して損害賠償額の支払を直接請求することができることなどの約定の下に、本件約款が適用される自家用自動車保険契約を締結していたところ、平成元年6月9日、先行車両を避けようとして上記自動車を中央分離帯に衝突させ、これにより自動車の助手席に同乗していたBを死亡させる事故を発生させたが、事故発生当時AとBとは内縁関係にあった。

最高裁の判断

 最高裁は、本件の免責条項の配偶者に、内縁の配偶者を含むと判断しました。

 Aと被上告会社との間に締結されていた自家用自動車保険契約に適用される自家用自動車保険普通保険約款の第一章賠償責任条項八条三号には、被保険者が被保険自動車の使用等に起因してその配偶者の生命又は身体を害する交通事故を発生させて損害賠償責任を負担した場合においても、保険会社は、被保険者がその配偶者に対して責任を負担したことに基づく保険金の支払義務を免れる旨が定められているところ、本件免責条項にいう「配偶者」には、法律上の配偶者のみならず、内縁の配偶者も含まれるものと解するのが相当である。

 本件免責条項が設けられた趣旨は、被保険者である夫婦の一方の過失に基づく交通事故により他の配偶者が損害を被った場合にも原則として被保険者の損害賠償責任は発生するが、一般に家庭生活を営んでいる夫婦間においては損害賠償請求権が行使されないのが通例であると考えられることなどに照らし、被保険者がその配偶者に対して損害賠償責任を負担したことに基づく保険金の支払については、保険会社が一律にその支払義務を免れるものとする取扱いをすることにあり、この趣旨は、法律上の配偶者のみならず、内縁の配偶者にも等しく妥当する。

 本件約款の第一章賠償責任条項三条は、被保険自動車の使用等に起因する交通事故を発生させたことに基づき損害賠償責任を負担することによって被る損害について、保険によりてん補される責任主体としての被保険者の範囲を明らかにした最も基本的な定めである。そして、同条の一項二号(イ)には、被保険自動車を使用又は管理中の記名被保険者の配偶者が被保険者に含まれる旨が定められている。ところで、この定めが設けられた趣旨は、一般に配偶者も被保険自動車を使用する頻度が高いと考えられるため、同人を当然に被保険者に含めることとして、前記の損害を保険によりてん補される被保険者の範囲を拡張しようとするところにある。この点では、法律上の配偶者と内縁の配偶者とを区別して別異に取り扱う必要性は認められないから、右三条一項二号(イ)にいう「配偶者」には、法律上の配偶者のみならず、内縁の配偶者を含むとすることにつき何らの支障も認められない。そして、同一の約款の同一の章において使用される同一の文言は、特段の事情のない限り、同一の章を通じて統一的に整合性をもって解釈するのが合理的であるというべきところ、三条一項二号(イ)と本件免責条項とは同一の約款における同一の章に設けられた定めであって、各条項にいう「配偶者」の文言を異なる意義に解すべき特段の事情も認められない。


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