休業損害の算定

 休業損害の損害額は,通常,以下のいずれかの計算式により算定します。

 ①基礎収入(日額)×休業日数-一部,支払われた賃金等

 ②基礎収入×要休業期間×要休業割合

給与所得者の場合

 交通事故の受傷のための休業で現実に喪失した収入額が損害です。基礎収入の算定に当たっては,事故直前の3か月の平均収入を用いています。

保険会社の算定方法

 給与所得者の休業損害は,事故直後は,あまりもめることはなく,保険会社が内払いをしてくれます。保険会社の算定方法を以下の例で,説明します。

 例:月給30万円(額面),月の所定労働日数25日,事故前3か月の暦日90日で,1か月(30日)休業した

 30万円×3か月=90万円・・・3か月の総賃金

 90万円÷90日=1万円・・・1日当たりの賃金

 1万円×25日=25万円・・・1か月の休業損害

 ということで,保険会社からは,25万円が休業損害として支払われます。ところが,月給は30万円で,1か月丸々休業しているので,5万円少ないんです。

保険会社の算定方法のどこが間違ってるのか

 保険会社の算定方法は,休業期間と休業日数をごちゃ混ぜににしてるので,おかしいのです。

 つまり,上記の例で,1日当たりの賃金を1万円と計算したのは,「期間」で計算しています。それにもかかわらず,1か月の休業損害の計算は,「日数」で計算しています。「期間」と「日数」を統一しないといけないのです。

 日数で計算すると,次のようになります。

 30万円×3か月=90万円・・・3か月の総賃金

 90万円÷(25日×3か月)=1万2000円・・・1日当たりの賃金

 1万2000円×25日=30万円・・・1か月の休業損害

 期間で計算しても,1か月の休業損害は30万円になります。

 30万円×3か月=90万円・・・3か月の総賃金

 90万円÷90日=1万円・・・1日当たりの賃金

 1万円×30日=30万円・・・1か月の休業損害

 保険会社の担当者が言うには,自賠責が,保険会社と同じ計算をしているので,そう算定するしかないということです。ある事件でも,保険会社の代理人弁護士もそれ以上の反論はしてきませんでした。

 つまり,休業損害に関して,被害者は,知らず知らずのうちに,損をしていることになります。