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加重障害とむち打ちの後遺障害認定と素因減額


加重障害とむち打ちの後遺障害認定に関して、後遺障害を認めた上で、素因減額を行った裁判例を紹介します。

東京地裁平成26年11月18日判決

 10年以上前の交通事故で後遺障害14級の認定を受けた被害者が同一部位を再び負傷し、後遺障害が残存したと主張した事案です。訴訟提起前に、自賠責保険は、加重障害として、既存障害を加重したものと認めれないとして非該当と判断しました。

 ※加重障害については、後遺障害等級認定のルール②参照

事案の概要

 原告は、平成13年4月28日に交通事故に遭い、頚部を受傷し、これに伴う頚部痛、僧帽筋痛、頭痛、背部痛等の症状に対し、自賠責保険の後遺障害認定手続において、遺障害等級表14級10号(本件事故日に対応する等級表では同表14級9号)の認定がなされた。

 平成23年9月25日午前11時13分ころ、原告運転の普通乗用自動車に、被告運転の普通乗用自動車が追突した。

 原告は、S整形外科に、平成23年9月28日から平成24年4月11日までの間に80日間通院し、D医師により頚椎捻挫、腰椎捻挫と診断され,治療を受けた。

 原告は、平成24年9月30日に、3.0テスラのMRI検査を受け、腰部脊柱管狭窄症及び腰部椎間板ヘルニアと診断された。

 原告は、S整形外科において、頚椎捻挫・腰椎捻挫後の頭痛、頚部痛、両肩甲部痛、背部痛及びめまいについて、平成24年4月11日に症状固定したとの後遺障害診断を受けたが、自賠責保険の後遺障害認定手続において、概要、以下の理由により、自賠責保険における後遺障害には該当しないものと判断された。
 (1)上記各症状については、頚部画像上、骨折等の外傷性の異常所見は認めがたく、また、後遺障害診断書上、症状の裏付けとなる客観的な医学的所見には乏しいことから、他覚的に神経系統の障害が証明されるものと捉えることは困難である。
 一方、原告は、前回後遺障害に対し、後遺障害等級表14級10号(本件事故日に対応する等級表では同表14級9号)の認定がなされており、本件事故による受傷が加わったとしても、同一部位の障害として、障害等級表上の障害程度を加重したものとは捉えられないことから、自賠責保険における後遺障害には該当しない。
 (2)頚椎部の運動障害、右肩関節部及び左肩関節部の各機能障害については、いずれも、画像上又は診断書等から、同部に骨折、脱臼等は認められないことから、自賠責保険における後遺障害には該当しない。

裁判所の判断

 裁判所は、①前回事故から10年以上が経過していること、②事故前に症状がなかったことから、原告の後遺障害を認めました。ただし、受傷部位が前回事故と同一であることを理由に3割の素因減額を行っています。

 原告は、前回事故により本件事故と同一の部位である頚部を受傷し、後遺障害が認定されているものの、前回後遺障害が、後遺障害等級表14級9号相当の軽微な神経症状であったこと、前回事故から本件事故までに10年以上が経過していること、本件事故前、原告に本件事故後と同様、同程度の頚部痛、頭痛等の症状があったと認めるに足りる証拠はないことを総合すると、本件事故時には、前回後遺障害はかなり軽減していたものであり、本件事故により症状が再発又は悪化したものと認めるのが相当である。原告には、本件事故により、頚椎捻挫後の頭痛、頚部痛、両肩甲部痛、背部痛、めまい等の後遺障害が生じ、その程度は、後遺障害等級表14級9号に相当するものと認められる。

 本件事故による受傷部位と前回事故による受傷部位が同一であることからすると、原告の本件事故による傷害、後遺障害の発症又は悪化には、前回後遺障害の影響があるものと認められるから、当事者の公平の観点により、3割の素因減額をするのが相当である。


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