交通事故の相談をするなら弁護士?行政書士?

 交通事故の被害者が,専門家に相談したいと思ったら,インターネットで検索をするのではないでしょうか。そうすると,弁護士の他に行政書士のホームページが見つかります。

 弁護士に相談するのか,行政書士に相談するのかを選択する必要があります。そこで,裁判例から,行政書士の業務範囲について,触れておきたいと思います。

大阪高裁平成26年7月30日判決

 保険会社に対して,弁護士費用特約に基づき保険金の支払いを求めた事案です。行政書士に対する報酬の支払いが問題となりました。

 判決は,「自動車損害賠償補償法15条の規定による保険金請求に係る書類作成及びこれについての相談(書類の体裁,記載事項等について,質問に答え,指示し,又は意見を表明する等の行為)は行政書士の業務として適法である」と判断しています。そして,判決は,「症状に対する治療についての助言」,「本件事故の加害者との間で損害賠償についての示談交渉をするに当たっての法的な助言,証拠収集に関する援助」については,行政書士の業務範囲外であると判断しています。

交通事故における行政書士の業務範囲

 上記大阪高裁の判決からすると,交通事故における行政書士の業務範囲は,狭いといえます。自賠責保険の請求に当たって,書類の書き方などの形式的な事項に限られるということができます。

 しかし,被害者が知りたいのは,形式的な手続きではなく,症状に対する治療についての助言・本件事故の加害者との間で損害賠償についての示談交渉をするに当たっての法的な助言・証拠収集に関する援助などの実質的な事項です。

 これらの相談は,行政書士ではなく,弁護士にする必要があります。大阪高裁の判決の事案のように,行政書士に相談した場合,弁護士費用特約から保険金の支払いがなされない場合もあります(一律,支払われないわけではありません。)。

交通事故の相談は弁護士に

 交通事故の相談を専門家にする場合,弁護士と行政書士の業務範囲の違いを踏まえて,選択する必要があります。弁護士の場合は,制限なく交通事故の相談に対応できます。