交通事故による橈骨・尺骨骨幹部骨折の後遺障害を取上げます。
橈骨・尺骨骨幹部骨折
橈骨・尺骨骨幹部骨折は、前腕の骨幹部の骨折で強い痛み・腫脹が現れます。橈骨・尺骨の両方が骨折すると、強く変形します。一方、どちらかのみの骨折の場合は、あまり変形しない場合もあります。
橈骨・尺骨骨幹部骨折の治療
橈骨・尺骨それぞれの単独骨折の場合は、ギプスで固定します。6~8週間ほどで骨癒合が得られることがありますが、癒合不全になる場合もあります。
橈骨・尺骨骨幹部骨折の後遺障害
橈骨・尺骨どちらか又は両方の癒合不全が考えられます。また、阻血性障害による手関節の用廃、手指の用廃の後遺障害が残ることがあります。
変形障害
橈骨・尺骨骨幹部骨折で想定される変形障害
骨幹部に癒合不全を残し常に硬性補装具が必要とするもの:7級9号が想定されます。
骨幹部に癒合不全を残し常に硬性補装具を必要とするもの以外:8級8号が想定されます。
橈骨・尺骨の両方に15度以上の変形を残すもの:12級8号が想定されます。
骨幹部に癒合不全を残し硬性補装具を必要としないもの:12級8号が想定されます。
橈骨又は尺骨の骨端部のほとんどを欠損したもの:12級8号が想定されます。
橈骨又は尺骨の直径が2分の1以下に減少したもの:12級8号が想定されます。
機能障害
橈骨・尺骨骨幹部骨折で想定される機能障害
回外・回内制限を残し、健側の2分の1以下に制限されたもの:準用10級が想定されます。
回外・回内制限を残し、健側の4分の3以下に制限されたもの:準用12級が想定されます。