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膝蓋骨骨折の後遺障害


交通事故による膝蓋骨骨折の後遺障害を取上げます。

膝蓋骨骨折

 膝蓋骨骨折は、膝関節周辺骨折のうち、最も頻度の高い骨折です。主として、膝から転倒する直接外力によって発生します。転落等によって足部から着地したことで、大腿四頭筋の遠心性収縮による間接外力で生じることもあります。

Carpenter分類

Carpenter分類

(1)横骨折・転位なし

(2)横骨折・転位あり

(3)縦骨折

(4)骨軟骨骨折

(5)Sleeve骨折

(6)粉砕骨折・転位なし

(7)粉砕骨折・転位あり

膝蓋骨骨折の治療

 縦骨折は保存的療法が選択され、シリンダーキャスト固定による早期の全荷重歩行が可能です。

 膝伸展機能障害をきたす横骨折(3ミリメートル以上の転位、2ミリメートル以上の関節面の不適合)は、ワイヤ、ストロングスーチャーによる引き寄せ締結法を選択します。

膝蓋骨骨折の後遺障害

 後遺障害としては、①膝関節の可動域制限と②局部の神経症状が考えられます。

膝関節の可動域制限

 健側の2分の1以下に制限されている場合は、10級11号が想定されます。健側の4分の3以下に制限されている場合は、12級7号が想定されます。

局部の神経症状

 また、大腿膝蓋関節面に損傷が生じ、大腿膝蓋関節に疼痛が残る場合があります。この場合、局部の神経症状として、他覚的所見が存在する場合は12級13号が想定されます。他覚的所見が存在しない場合は14級が認定されることがあります。


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