眼球の調節機能障害の後遺障害認定のポイントを紹介します。
眼球の調節機能障害の後遺障害
眼球の調節機能障害の後遺障害は、①両眼の眼球に著しい調節機能障害を残すものが11級、②1眼の眼球に著しい調節機能障害を残すものが12級となります。
以下の「眼の後遺障害」も参照
調節機能障害
眼に近い物を見るときは、毛様体筋の作用により、水晶体の厚みを変化させ、その物から来た光線が適当に屈折されて網膜に像を結びます。これが眼球の調節です。
眼球の調節を休止した状態で、遠方から来る平行の光線が角膜、眼房水、水晶体、硝子体を通過し、網膜面に像を結ぶものが正視です。網膜面より前方に像を結ぶのが近視です。網膜面より後方に像を結ぶのが遠視です。
ピントが合う遠点から近点までの距離的な範囲である調節域をレンズに換算した数値を調節力といいます。調整力の単位は、ジオプトリーです。
眼球に著しい調節機能障害を残すとは、調節力が通常の2分の1以下に減じたものをいいます。
2分の1以下かどうか?は、障害が1眼のみの場合は、障害のない健眼と比較して認定します。
両眼に障害がある場合は、年齢別の調節力を示す調節力値との比較によって認定します。
健眼の調節力が1.5ジオプトリー以下の場合は、実質的に調節力が失われていると考えられ、障害した眼は評価の対象とはされません。また、健眼がない場合で被害者の年齢が55歳以上の場合、通常、調節力が失われていて、1.5ジオプトリー以下になるので、後遺障害の対象とされません。
調節力値の検査は、アコモドポリレコーダー等の調節機能測定装置が用いられます。数回、検査を行い、結果がほぼ一定で、通常の検査の場合の2分の1以下であれば、眼球に著しい調節機能障害を残すとして、後遺障害が認定されることになります。