レンタカー業者が運行供用者責任を負うかどうか?を判断した最高裁判決を紹介します。
最高裁昭和46年11月9日判決
レンタカー業者が、運行供用者責任を負うのか?が問題になった判決です。
事案の概要
上告会社は、自家用車の有料貸渡を業とするものである。その所有自動車についての利用申込を受けた場合、免許証により、申込者が小型四輪自動車以上の運転免許を有し、原則として免許取得後6か月経過した者であることを確認し、さらに一時停止の励行、変速装置、方向指示器の操作その他交通法規全般について同乗審査をなし、かかる利用資格を有する申込者と自動車貸渡契約を締結したうえで自動車の利用を許すものであること、利用者は、借受けに際し届け出た予定利用時間、予定走行区域の遵守および走行中生じた不測の事故については大小を問わず上告会社に連絡するよう義務づけられていること、料金は、走行粁、使用時間、借受自動車の種類によって定められて、本件自動車と同種のセドリック62年式の場合、使用時間24時間・制限走行粁300粁で6,000円に上ること、燃料代、修理代等は利用者負担とされていること、使用時間は概ね短期で、料金表上は48時間が限度とされていること、第一審被告は、上告会社から以上の約旨のほか、同人が前記利用資格に達していなかつたため、特に、制限走行粁300粁、山道、坂道を走行しないことを条件に上告会社所有の本件自動車を借り受けた。
最高裁の判断
原審は、レンタカー業者が運行供用者責任を負うと判断しました。この原審の判断を最高裁は是認しています。
本件事故当時、上告会社は、本件自動車に対する運行支配および運行利益を有していたということができ、自賠法3条所定の自己のために自動車を運行の用に供する者としての責任を免れない旨の原判決の判断は、正当として是認することができる。