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運行供用者責任に関する最高裁判決④(交通事故の判例)


運行供用者責任に関する最高裁判決を紹介します。

最高裁昭和45年7月16日判決

 家業に従事している兄が所有し家業のためにも使用されていた自動車を妹が運転して事故を起した場合、自動車の所有者である兄とともに、一家の責任者として家業を総括していた父が運行供用者責任を負うのか?が問題になった事案です。

最高裁の判断

 最高裁は、以下のとおり、自動車の所有者である兄とともに、家業の総括者であった父にも運行供用者責任を認めました。

 上告人Aは上告人B、同C兄妹の父であるが、本件事故当時、上告人らはAのもとに同居し、家族が共同して雑貨店ならびにガソリンスタンドの営業に従事し、主としてその営業による収入で生活していた。上告人Aは、当該営業を含む社会生活全般につき、一家の責任者として行動していたこと、本件加害自動車の所有者は上告人Bであつたが、同上告人も家族の一員として上記家業に従事し、当該自動車はその営業のためにも使用されていたこと、上告人Cは普通自動車の運転免許を持ち、本件事故以前に数回にわたり本件自動車を運転したことがあったが、上告人A・同Bはこれを止めさせることなく放任していた。

 自動車の所有者たる上告人Bはもとより、一家の責任者として営業を総括していたものと目すべき上告人Aも、自動車の運行について指示・制御をなしうべき地位にあり、かつ、その運行による利益を享受していたものということができるから、ともに、自動車を自己のために運行の用に供していたものというべく、たまたま本件事故は上告人Cが近所の怪我人を病院に運ぶため独断で自動車を運転中に引き起こしたものであるけれども、そのことは、本件事故発生時の運行が、客観的には、上告人Aおよび同Bの自動車に対する運行支配権に基づき、上記上告人両名のためにされたものと認める妨げとなるものではないというべきである。

 したがって、上記上告人両名が自動車損害賠償保障法3条にいう「自己のために自動車を運行の用に供する者」にあたる。


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