交通事故で足の甲を強く打ったり、足をひねったりすると、「リスフラン関節損傷」を生じることがあります。
リスフラン関節損傷では、治療を続けても、足の甲の痛み、体重をかけたときの痛み、歩きにくさなどが残ることがあります。また、関節の変形によって、外傷性の変形性関節症を生じることもあります。
こうした症状が残った場合、後遺障害12級13号又は14級9号が認定される可能性があります。
ただし、リスフラン関節損傷と診断されたからといって、必ず後遺障害が認定されるわけではありません。画像検査の結果や症状の経過などが重要になります。
この記事では、リスフラン関節損傷で残りやすい後遺症、後遺障害等級、等級認定のポイントについて解説します。
- 1. リスフラン関節損傷とは?
- 1.1. リスフラン関節損傷の原因
- 1.2. リスフラン関節損傷の種類
- 1.2.1. リスフラン関節骨折
- 1.2.2. リスフラン靱帯損傷
- 1.3. リスフラン関節損傷の診断・検査
- 2. リスフラン関節損傷で残りやすい後遺症
- 2.1. 足の甲の痛み・荷重時の痛み
- 2.2. 足のアーチの変形
- 2.3. 外傷性変形性関節症
- 3. リスフラン関節損傷の後遺障害
- 3.1. 12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの
- 3.2. 14級9号:局部に神経症状を残すもの
- 3.3. リスフラン関節の機能障害は?
- 4. リスフラン関節損傷で後遺障害認定を受けるためのポイント
- 4.1. 画像検査で損傷や関節の変形を確認する
- 4.2. 痛みなどの症状を継続して医師に伝える
- 5. 交通事故によるリスフラン関節損傷で後遺症が残った方へ
リスフラン関節損傷とは?
リスフラン関節は、足の甲の中央付近にあり、歩行時に足を支える重要な関節です。
リスフラン関節損傷は、リスフラン関節やそれを支えるリスフラン靱帯の損傷・骨折・脱臼です。
診断は比較的難しいといわれ、初診時に見落とされることがあります。初診時に見逃されると、治療が難航し、関節固定術が必要になることがあります。

リスフラン関節損傷の原因
高所からの転落などの高エネルギー外傷だけではなく、スポーツなどでつま先立ちの状態で踏まれるといった低エネルギー外傷が原因で発症することがあります。
交通事故では、バイクや自転車で転倒して足首を捻った場合、歩行中に自動車のタイヤに轢かれた場合に発症することがあります。また、自動車運転中に、交通事故によりペダルや床からの強い衝撃を受けて発症することがあります。
リスフラン関節損傷の種類
リスフラン関節損傷は、大きくリスフラン関節骨折とリスフラン靱帯損傷に分けられます。
リスフラン関節骨折
受傷直後から足の甲全体が大きく腫れ、激しい痛み
リスフラン靱帯損傷
リスフラン関節の靱帯の損傷です。靱帯だけではなく、小さな骨の骨折を伴うことがあります。画像での変化がわずかなために、見過ごされることがあります。
リスフラン関節損傷の診断・検査
正面・側面・回内斜位の3方向のレントゲン撮影を行い、健側と比較します。また、詳細な検討のために、CT撮影を行うことが、奨励されています。
リスフラン関節損傷で残りやすい後遺症
リスフラン関節損傷では、以下のような症状が残ることがあります。
足の甲の痛み・荷重時の痛み
歩行時や体重をかけた際に、足の甲や裏にズキズキとした痛みが残ることがあります。そのため、歩きにくくなり、日常生活に支障が生じます。
足のアーチの変形
靱帯の緩みや不安定性により足の横アーチや縦アーチが崩れることがあります。そのため、歩行時のバランスが悪くなります。
外傷性変形性関節症
関節面の不整や軟骨損傷が原因で、時間の経過ととも関節炎が進行することがあります。
リスフラン関節損傷の後遺障害
局部の神経症状として、12級13号又は14級9号が認定される可能性があります。
12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの
関節面の不整、関節裂隙の狭小化、骨棘形成などが画像所見で確認できる場合は、12級13号が認定される可能性があります。
14級9号:局部に神経症状を残すもの
交通事故後の治療経過や症状の推移などから疼痛の原因が医学的に説明可能な場合は、14級9号が認定される可能性があります。
リスフラン関節の機能障害は?
リスフラン関節は、下肢の3大関節である股関節・膝関節・足関節には含まれません。したがって、リスフラン関節自体の可動域制限を足関節の可動域制限としては評価されません。
なお、後遺障害等級7級8号「一足をリスフラン関節以上で失ったもの」が存在します。これは、足の欠損障害です。単に、リスフラン関節を損傷した場合に対象となる後遺障害ではありません。
リスフラン関節損傷で後遺障害認定を受けるためのポイント
交通事故によるリスフラン関節損傷で後遺障害の認定を受けるには、以下のようなポイントを押さえておくことが重要です。
画像検査で損傷や関節の変形を確認する
後遺障害等級12級13号と14級9号の差は、症状の程度ではなく、他覚所見の有無です。痛みの原因を画像所見によって明らかにする必要があります。
リスフラン関節損傷は、見逃されやすい疾病なので、適切な時期に適切な撮影条件の検査法を実施する必要があります。
痛みなどの症状を継続して医師に伝える
痛みの原因を画像所見によって証明できなくても、治療経過、症状推移などから医学的に説明可能な場合は、後遺障害等級14級9号が認定される可能性があります。
そのため、交通事故直後から症状をきちんと医師に伝えて、診断書やカルテに記載しておいてもらうことが重要です。医師に症状を伝える際は、日常生活や仕事への支障も併せて伝えるようにしておくといいでしょう。
交通事故によるリスフラン関節損傷で後遺症が残った方へ
リスフラン関節損傷は、足の甲にある関節の骨折・脱臼・靱帯損傷などを伴う傷病です。
治療後も、足の甲の痛み、体重をかけたときの痛み、歩行時の痛みなどが残ることがあります。また、関節の変形や外傷性変形性関節症が生じることもあります。
リスフラン関節損傷による痛みなどの症状については、後遺障害等級12級13号又は14級9号が認定される可能性があります。
後遺障害等級の認定では、レントゲンやCT、MRIなどの画像所見に加え、症状の経過や治療状況などが重要です。
交通事故でリスフラン関節を損傷し、治療後も足の痛みや歩きにくさが残っている場合は、後遺障害の認定を検討することになります。

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