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鎖骨の変形障害と後遺障害による逸失利益(交通事故の損害賠償)


交通事故によって、後遺障害が残った場合、後遺障害による逸失利益が損害として認められます。残存した後遺障害が鎖骨骨折による鎖骨の変形障害の場合、後遺障害による逸失利益の算定が問題になります。

鎖骨の変形障害

 鎖骨に著しい変形を残すものは、12級5号が認定されます。後遺障害等級12級の労働能力喪失率は14%です。そうすると、鎖骨の変形障害についても労働能力喪失率14%を前提に、後遺障害による逸失利益が認められることになりそうです。

 しかしながら、鎖骨は、先天性欠損や腫瘍などにより全摘出しても、肩関節の可動域や日常動作に重大な支障が生じることがないと言われています。そのため、鎖骨が変形したとしても、労働能力を喪失することはないのではないか?という主張が保険会社からなされます。

鎖骨の変形自体が労働能力を喪失するか?

 後遺障害として認定される鎖骨の著しい変形とは、裸体となったときに変形や欠損が明らかにわかる程度のものです。首から肩にかけての容姿を保つという鎖骨の機能が害されているという評価です。

 鎖骨の変形自体が、労働能力に影響するということは、ほとんどないと考えられます。ただし、被害者がモデル等の容姿が重要な職業に就いている場合は,鎖骨の変形自体が労働能力の喪失と評価するすることができます。

肩関節に機能障害を伴う場合

 通常,鎖骨骨折によって,肩関節に機能障害を残すことはありません。ただし,骨折の部位によっては機能障害が残る可能性があります。肩関節に機能障害が残った場合,後遺障害の認定基準を満たせば,鎖骨の変形障害と併合されることになります。問題は,肩関節の可動域が4分の3以下に制限されなかった場合です。

 被害者が主として肉体労働を行っている場合や,スポーツ選手というような場合は,後遺障害等級としては認められない可動域制限が残った場合でも,労働能力の喪失を認めることができます。

痛み等の神経症状を伴う場合

 鎖骨が変形治癒した場合に,常に痛み等の神経症状を伴うということはありませんが,痛み等の神経症状が残ることがあります。

 神経症状が残った場合は,当然,労働能力の喪失を認めることができます。この場合,職種による労働能力の喪失の程度に差はないと考えれます。

鎖骨の変形障害の後遺障害による逸失利益の算定

 鎖骨の変形障害の後遺障害による逸失利益は,①労働能力の喪失が鎖骨の変形自体によるものか,派生障害によるものか,②被害者の職業,年齢,仕事への具体的な影響などを考慮して,認定していくということになります。


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