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脊柱の変形障害の後遺障害認定のポイント(交通事故の後遺障害)


交通事故による脊柱の変形障害の後遺障害認定のポイントを紹介します。

脊柱の変形障害の後遺障害

 脊柱の変形障害は、以下の3段階の後遺障害等級が定められています。

 ※脊柱・その他体幹骨の後遺障害参照

脊柱変形障害の後遺障害等級

①6級:脊柱に著しい変形を残すもの

②8級:相当の脊柱に中程度の変形を残すもの

③11級:脊柱に変形を残すもの

 ①と②は、脊柱の後彎の程度とコブ法による側彎の程度によって認定されます。①と②に達しない変形の内、一定の要件を満たすものが③に認定されます。

脊柱の変形障害の認定

 脊柱は、頸椎、胸椎、腰椎と異なる部位に区別することができます。後遺障害等級の認定では、脊柱の支持機能に着目して認定を行います。そのため、頭部の支持機能を担っている頸椎と体幹の支持機能を担っている胸腰椎に分け、頸椎と胸腰椎を異なる部位として取り扱っています。

 ただし、後彎又は側彎が頸椎から胸腰部にまたがっている場合は、取扱いが変わります。まず、後彎について、前方椎体高が減少したすべての脊椎の前方椎体高の減少の程度によって認定します。側彎については、その全体の角度によって、認定します。

 脊柱の変形障害は、以下のとおり、6級が2種類、8級相当と11級が3種類と合計で8種類のパターンがあります。

等級椎体高減少椎体個数前方椎体高の減少の程度コブ法
6級脊椎圧迫骨折などにより2個以上の椎体の前方椎体高が著しく減少し、後彎が生じている減少したすべての椎体の後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の合計との差が、減少した椎体の後方椎体高の1個当たりの高さ以上 
脊椎圧迫骨折などにより1個以上の椎体の前方椎体高が減少し、後彎が生じている減少したすべての椎体の後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の合計との差が、減少した椎体の後方椎体高の1個当たりの高さの50%以上コブ法による側彎度が50度以上
8級 
  コブ法による側彎度が50度以上
環椎又は軸椎の変形・固定(固定術が行われたものを含む)により、次のいずれかに該当するもの①60度以上の回旋位となっている②50度以上の屈曲位又は60度以上の伸展位となっている③側屈位となっており、X線等により、矯正位の頭蓋底部の両端を結んだ線と軸椎下面の平行線が交わる角度が30度以上の斜位となっているのが確認できる
11級脊椎圧迫骨折などを残しており、そのことがX線等により確認できる
脊椎固定術が行われた(移植した骨がいずれかの脊椎に吸収されたものを除く)
3個以上の脊椎について、椎弓切除術等の椎弓形成術を受けた

 脊柱の変形障害は、X線、CT画像又はMRI画像によって、脊椎圧迫骨折等が確認されることが前提になります。

 第2頸椎(軸椎)の歯突起のみの変形は、後遺障害と認定されません。ただし、歯突起骨折のAnderson分類のⅡ型・Ⅲ型は、11級の脊柱に変形を残すに該当するとされています。

 また、各脊椎の横突起、棘突起の局所的欠損や変形程度では、後遺障害とは認められません。


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