交通事故による内側側副靭帯の後遺障害を取上げます。
内側側副靭帯(MCL)損傷
MCLは、大腿骨内側上顆から脛骨内側に幅広く付着する扁平な靭帯です。外反力に対して制御する役割を果たします。
MCL損傷の受傷機転は、膝関節への直接外力、ジャンプして着地した際の間接外力に、膝関節に外反力が加わって生じます。
MCL損傷の分類
外反ストレスチェックにおいて、次のように分類されます。
Ⅰ度
伸展位・軽度屈曲位で不安定性がない。
Ⅱ度
軽度屈曲位のみ不安定性を認める。
Ⅲ度
伸展位・屈曲位ともに不安定性を認める。
MCL損傷の治療
原則的に、保存療法で治療します。テーピングや支柱付の装具を用いて可動域訓練や筋力トレーニングも行います。
ACL損傷などの他の靭帯損傷を合併した場合や不安定性が強い場合は、靭帯再建手術を行うこともあります。
MCL損傷の後遺障害
膝関節に、動揺関節が残ることがあります。動揺関節を後遺障害として等級認定されるには、ストレスXPを撮影することが必要になります。
MCL損傷の後遺障害
(1)常時硬性補装具の装着を必要とする程度のもの:準用8級が想定されます。
(2)時々硬性補装具の装着を必要とする程度のもの:準用10級が想定されます。
(3)重激な労働等の際以外は硬性補装具の装着を必要としないもの:準用12級が想定されます。