上肢・下肢の後遺障害の一つである動揺関節について取上げます。
動揺関節とは?
関節の安定性機能が損なわれたことで、関節の可動性が参考可動域以上又は異常な方向に運動可能になったものを動揺関節といいます。
動揺関節は、原因により、神経性・靭帯性・骨性に分類されます。靭帯損傷に伴って異常な関節運動が生じている場合は、関節不安定性といいます。
動揺関節の後遺障害認定基準
後遺障害等級表に、動揺関節に該当する等級はありません。
しかしながら、関節の運動が自動か他動かを問わず、以下の相当等級で認定されます。
上肢の動揺関節
上肢の動揺関節の後遺障害
常に硬性補装具を必要とするもの:10級相当
時々硬性補装具を必要とするもの:12級相当
習慣性脱臼:12級相当
下肢の動揺関節
下肢の動揺関節の後遺障害
常に硬性補装具を必要とするもの:8級相当
時々硬性補装具を必要とするもの:10級相当
重激な労働等の際以外は硬性補装具を必要としないもの:12級相当
習慣性脱臼、弾発膝:12級相当
後遺障害認定のポイント
関節の機能障害と同様、動揺関節の原因が器質的損傷であることが前提になります。
また、動揺関節の検査方法として、ストレスX線写真を撮影しておくことが必要です。
膝関節に関しては、ラックスマンテスト・前方引き出しテスト・後方引き出しテストといった検査方法もあります。