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半月板損傷の後遺障害


交通事故による半月板損傷の後遺障害を取上げます。

半月板損傷

 半月板は、大腿骨と脛骨の間にある繊維軟骨です。内・外側半月板ともC型の形をしています。荷重の伝達分散・衝撃緩衝機能・関節への安定性・潤滑機能に関与しています。

 半月板損傷は、膝関節の屈伸と回旋との協調運動が破たんしたときに生じます。スポーツ外傷が多く、転倒、捻挫、交通事故により発生することもあります。内・外側半月板ともに、中後節での損傷が多いと言われています。血行のある外周縁部は治癒する可能性があるが、血行の乏しい中心部は自然治癒するのは難しいと言われています。

 半月板損傷は、かつては、徒手テスト・関節造影・関節鏡で診断されていましたが、MRIにより無痛で診断が可能になりました。

半月板損傷の治療

 かつて半月板は再生しないといわれ、半月板の部分切除・全切除が行われていました。現在は、早期に断裂部を縫合すればつながるとされ、関節鏡下で縫合術が行われます。半月板の損傷が小さい場合は部分切除術が行われることもあります。

 観血術の2週間後まではギプスで固定し、歩行可能になれば退院というスケジュールが一般的です。退院後はサポーター保護程度で、問題なければ約6か月で治癒となります。

半月板損傷の後遺障害

 半月板損傷自体によって、膝関節の可動域が制限されることは通常ありません。

 疼痛が残る場合は、局部の神経症状として後遺障害が認められることがあります。

 画像所見が存在すれば、局部に頑固な神経症状を残すものとして12級13号が想定されます。画像所見がなければ、局部に神経症状を残すものとして14級9号が想定されます。


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