交通事故による足関節果部骨折の後遺障害を取上げます。
足関節果部骨折
足関節は、脛骨・腓骨・距骨から構成される関節です。それぞれの骨は、靭帯・関節包の軟部組織で結合していて、足部の底背屈の動きに対しての自由度が比較的大きく、内がえし・外がえし運動や内転・外転運動に関しての自由度が少なく、無理な力が加わることで、骨折を引き起こします。
足関節果部骨折は、骨折のみでなく、様々な程度の靭帯損傷を合併するのが特徴の一つです。
原口の分類
Lauge-Hansen分類等を見直し、近年発表されたのが原口の分類です。
①外旋骨折
外旋骨折の分類
Stage1:前脛腓靭帯の断裂
Stage2:Stage1+外果螺旋骨折
Stage3:Stage2+後果骨折
Stage4:Stage3+内果骨折
②外旋-外転骨折
外転骨折の分類
Stage1:内果骨折
Stage2:Stage1+前脛腓靭帯の断裂
Stage3:Stage2+腓骨骨折
Stage4:Stage3+後果骨折
足関節果部骨折の治療
転位のないものや非観血的整復が可能なものは、保存的療法を行います。ギプス固定が基本で膝下から足部までを固定します。固定期間は4~6週間程度と言われています。
骨折が不安定な場合や正しい解剖学的整復位が得られない場合は、観血的療法が選択されます。内固定材はスクリュー、プレート、キルシュナー鋼線、軟鋼線を組み合わせて行います。
足関節果部骨折の後遺障害
足関節の機能障害、骨折後の疼痛が後遺障害として残る可能性があります。
足関節の機能障害
足関節の機能障害
可動域角度が健側の2分の1以下に制限:10級11号が想定されます。
可動域角度が健側の4分の3以下に制限:12級7号が想定されます。
骨折後の疼痛
骨折後の疼痛の後遺障害
他覚的所見(画像所見)がある場合:12級13号が想定されます。
他覚的所見(画像所見)がない場合:14級9号が想定されます。