交通事故による足関節靭帯損傷の後遺障害を取上げます。
足関節靭帯損傷
足関節の外側には、前距腓骨靭帯・踵腓靭帯・後距腓靭帯が存在します。足関節の内側には、前脛距靭帯・脛舟靭帯・脛踵靭帯・後脛距靭帯があります。
足関節の靭帯損傷の頻度は高く、日常生活からスポーツなどで負傷することが多いです。足関節の受傷肢位と力の大きさにより損傷する靭帯と損傷の程度が異なります。
足関節靭帯損傷の診断
受傷直後から損傷部位の圧痛と腫脹が見られるので、診断は容易です。骨折等を合併していないか?を確認する必要があります。
足関節靭帯損傷の治療
新鮮例による靭帯損傷は、ギプスや装具などの保存的治療が選択されます。ギプスの場合は、膝下から足部までのギプス固定を行います。固定期間は、靭帯損傷の程度によって異なりますが、3~4週間が一般的です。
陳旧例の場合は、関節のゆるみと臨床所見を考慮し、観血的治療を選択します。
足関節靭帯損傷の後遺障害
通常、後遺障害が残ることはありません。靭帯損傷が重度で足関節に動揺性が残るような場合は、関節の機能障害が後遺障害として考えられます。その場合に想定される後遺障害等級は以下のとおりです。
足関節動揺による常時硬性補正具装着:8級相当
常時硬性補正用具を装着する必要のないもの:10級相当
重激な労働時のみ硬性補正用具が必要:12級相当
可動域角度が健側の4分の3以下に制限:12級7号
また、足関節に疼痛が残った場合、局部の神経症状として、12級13号又は14級9号が認められる可能性があります。