距骨骨骨折

 距骨は,頭部・頚部・体部の3つに分けることができ,表面の70%が軟骨でおおわれるという特徴の骨です。

 距骨骨折は外力の大きさや足関節の位置,下腿筋肉の影響の違いにより様々なタイプの骨折が生じます。

 強く足関節の背屈力が加わった場合,脛骨前縁と距骨の頚部が衝突し距骨頚部骨折を生じます。

 高所からの転落等で下腿に強い長軸方向の力が加わった状態で,下腿三頭筋等の筋肉の力の影響で距骨に圧迫・剪断の力が加わると,距骨体部骨折が生じます。

Sneppen分類

 距骨体部骨折は剪断骨折と粉砕骨折があり,分類にSneppen分類が用いられます。

 ①圧迫骨折

 ②前額面剪断骨折

 ③矢状面剪断骨折

 ④後結節骨折

 ⑤外側結節骨折

 ⑥粉砕骨折

Hawkins分類

 また,距骨骨折では,骨片の転位の大きさによって分類されるHawkins分類が用いられます。骨片の転位が高度なほど骨を栄養する血管の損傷がみられ,距骨の無腐性壊死がみられます。

 groupⅠ:距骨頚部に骨折線を認めるが転位のないもの

 groupⅡ:距骨体部骨折で距踵関節に脱臼を認めるもの

 groupⅢ:距骨体部骨折が距踵関節から脱臼を認めるもの

 groupⅣ:距骨骨頭骨折も距舟関節から脱臼を認めるもの

距骨骨折の治療

 転位のない骨折はギプス固定などの保存的療法を選択します。転位が大きいものや脱臼がみられる場合は観血的療法を選択します。

 距骨骨折は,血流障害を起こしやすく荷重後に距骨の変形が生じることがあります。

距骨骨折の後遺障害

 距骨の壊死又は変形治癒により足関節の可動域制限が後遺障害として残る可能性があります。また,骨折後の疼痛が局部の神経症状として後遺障害として認められる可能性があります。

足関節の機能障害

 足関節固定術が行われた場合は関節の用廃として:8級7号が想定されます。

 可動域角度が健側の2分の1以下に制限されている場合は10級11号が想定されます。

 可動域角度が健側の4分の3以下に制限されている場合は12級7号が想定されます。

局部の神経症状

 局部の神経症状は,画像所見があれば12級13号,画像所見がなければ14級9号がそれぞれ想定されます。