腓骨神経麻痺

 下肢の神経麻痺の中で最も頻度の高いのが腓骨神経麻痺です。総腓骨神経は,腓骨頭の外側で長腓骨筋の浅頭と深頭の2つで形成されたトンネル内を走行しています。この部位が損傷を受けやすくなっています。外部からの圧迫,外傷や手術による神経損傷が受傷機転となっています。

腓骨神経麻痺の症状

 足関節,足趾の背屈力低下・消失が生じます。重症の場合は下垂足になります。神経損傷の部位により知覚障害の範囲が異なります。

 膝遠位レベルで神経が損傷すると第5足趾を除いた足背全体の知覚障害が見られます。

 膝近位レベルの場合は,外側腓腹皮神経,腓腹神経との交通枝の麻痺が起こり,下腿外側の知覚障害も見られます。

腓骨神経麻痺の治療

 MRI,超音波検査で明らかな神経圧迫が見られる場合や進行性の場合を除いて,外的神経圧迫の除去,投薬治療といった保存的療法が行われます。

 理学療法として,神経障害部の近位での超音波刺激治療,関節拘縮予防のための可動域訓練が行われます。近時は局所麻酔薬とステロイドのブロック注射超音波ガイド下のブロックが用いられています。

 明らかな神経圧迫が認められる場合や3か月以上の保存的療法で回復傾向が見られない場合は手術が行われることがあります。

腓骨神経麻痺の後遺障害

 総腓骨神経の完全麻痺が回復しない場合,下垂足が後遺障害になります。足関節の背屈が不可能になるので,足関節の用廃として8級7号が想定されます。

 また,第1足指と第2足指が機能障害に該当する場合があります。