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脛骨骨幹部骨折の後遺障害


交通事故による脛骨骨幹部骨折の後遺障害を取上げます。

脛骨骨幹部骨折

 脛骨骨幹部骨折は、下腿骨幹部骨折の一つです。交通事故やスポーツ外傷などで生じ、日常的にも発症頻度の高い骨折です。開放骨折になりやすく、コンパートメント症候群などの合併症を伴うことがあります。

AO分類

 AO分類は、骨折を再現性をもって分類でき、重症度に応じて適切な治療法を選択するための有用な分類として使用されています。

A:単純骨折

 2骨片からなる骨折

B:楔状骨折

 多骨片からなる骨折で、整復すれば主骨片同士が接触する骨折

C:粉砕骨折

 多骨片からなる骨折で、整復しても主骨片同士が接触しない骨折

脛骨骨幹部骨折の治療

 ギプスなどの保存的療法が可能な場合も多くあります。手術療法の成績は良好で、早期のリハビリ、早期の社会復帰が図れることから積極的に手術が行われるようになってきています。

 一般的には髄内釘固定が行われます。近位、遠位の関節に及ぶ骨折の場合はプレート固定が選択されることがあります。

 なお、開放骨折の場合は受傷後6時間以内の手術が必要とされています。

脛骨骨幹部骨折の後遺障害

 足関節又は膝関節の機能障害、長官骨の変形・短縮障害が後遺障害として残る可能性があります。また、下肢の切断、癒合不全による後遺障害残る可能性もあります。

機能障害

脛骨骨幹部骨折で想定される機能障害

関節の用廃:8級7号が想定されます。

可動域が健側の2分の1以下に制限されている場合:10級10号が想定されます。

可動域が健側の4分の3以下に制限されている場合:12級7号が想定されます。

長管骨の変形、短縮障害

脛骨骨幹部骨折で想定される変形障害

5センチメートル以上短縮:8級5号が想定されます。

3センチメートル以上短縮:10級8号が想定されます。

1センチメートル以上短縮:13級8号が想定されます。

長管骨の変形障害:12級8号が想定されます。

下腿切断

 下腿切断をした場合、1下肢を足関節以上で失ったとして5級5号が想定されます。

偽関節

脛骨骨幹部骨折の癒合不全による後遺障害

脛骨及び腓骨の骨幹部等又は脛骨の骨幹部に癒合不全を残し常に硬性補装具の装着を必要な場合:7級10号が想定されます。

癒合不全を残し常に硬性補装具の装着を必要とするもの以外:8級9号が想定されます。

腓骨の骨幹部に癒合不全を残すもの:12級7号が想定されます。


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